こんにちは。CuiCuiフォトグラファーの沼山かおりです*
前回記事の後編、分娩室へ移動となります。
私は産まれるところを見ていました。
助産師さんは子宮口に指を入れ赤ちゃんの頭に触れ、光子に呼吸の仕方を指示し、いきみを促します。
あやたんの「ママ頑張れ!」という声と、
光子のお母さんの「もうすぐで可愛い赤ちゃんに会えるよ。」という声と、
助産師さんの「いきんで。」の声と、
光子の持参したi podから流れるハードロックと、
室温27度の蒸し暑い分娩室の喧騒が、その時一瞬で静まりました。
頭のてっぺんがぐっと出てきました。
助産師さんは赤ちゃんにペースを教える様に少し抑えます。
光子がもう一度いきみます。
すると、静かに回転して、赤ちゃんは顔を出しました。
目を瞑っていて静かです。
とても静かでした。
私は泣きました。
人が生まれてくるところを初めてみました。
そのパワーはすごくて、泣いて震えてしまいました。
赤ちゃんが泣いて世界に色と音が戻りました。
私は「産まれた!産まれた!」と小躍りしながら泣き笑いで撮影し続けました。
頑張ったね。おめでとう!可愛いなあ。嗚呼可愛いな。可愛い、可愛い。
大きな感動に包まれながら、日本昔ばなしに出てくるたぬきのように小躍りしながらバシャバシャ撮影してる中、ふと、
自分が出産という極プライベートな家族の時間に紛れ込んだ異物の様に感じ、
あ、いけないな、喜びすぎちゃった。本当に家族だけの時間も作らなきゃ、と
少し外に出る事にしました。
そしたらあやたんが「かおりんどうしたの〜?」とついてきちゃって、
でもこの笑顔を見せてくれました。
嗚呼、いつものあやたんの顔だな。
久しぶりに見た気がするのは、今日会ってからずっと緊張していたのだなと。
ホッとしてやっと出てきたいつもの笑顔でした。
自分の出産とは違って、この日私は「人が生まれる」という事を
客観的に、しかし深く中に入り込んで体感した日でした。
光子が陣痛で苦しむ時、既に私は泣き出しそうで、
それは、人が生まれてくるというのがどういう事かをまざまざと見たからです。
ありきたりな言葉しか出てきませんが、それは本当に「凄いこと」でした。
そして私の息子も、あの赤ちゃんも、あの子も、そして自分も、
そうやって産まれてきた凄い存在なのだと改めて気づきました。
光子とご家族の皆様、
家族の大切な日にご一緒させてもらいありがとうございました。
そして本当に本当におめでとう!
そしてベリエの丘のスタッフさんも、快く受け入れて下さりありがとうござます。
帰路に着く頃にはすっかり日も暮れて、月と金星が輝いておりました。
写真で見ればアッという間ではありますが、私たちには長い長い一日でした。
みんなお疲れ様!